こんばんは。佐藤です。
3月11日。
あの日、あの時から3年の月日が流れました。
今日、この日にfhána結成後、最初に作った楽曲「kotonoha breakdown」のミュージックビデオを公開します。
いまだ鮮明な記憶が残る3.11以降にインターネット上で起きた出来事をモチーフに制作されたこの楽曲は、本来持っているはずの言葉の意味や力が、意図した相手に伝わらず思わぬ相手に伝わって大きく広がったり、間違って伝わってしまったり、失われてしまうことの儚さを歌っています。
3月11日夜に、yuxukiくんが帰宅難民になって、うちに泊まりに来たこと、
不安な気持ちを少しでも和らげようと、みんなでSkypeに接続して一夜を語り明かしたこと、
陸前高田、気仙沼など被災地に実際に赴いたこと。
日常の自明性が崩れ去った、あの時の切実で切羽詰まった感情を思い出します。
震災後、SNS上では玉石混交の大量の情報が飛び交い、様々な立場の人々が全く理解し合わないまま互いに考えを主張し合っているような状況が続いていました。
しかし、fhánaのメンバーを結びつけたのもまたSNSでした。
そんな絶望と希望が入り混じった空気の中で作られたfhánaの最初の曲を、映像とともに今日この日に発表します。
監督は映像作家の大橋史さん。独創的なタイポグラフィによるモーショングラフィックスで素晴らしい映像に仕上げて下さいました。
MVに登場するfhánaメンバーやモブキャラのデザインは、fhánaの自主制作盤「New World Line」の付録日常漫画「ファナMENたちの日常」を描いてくれた、ゆずささんです。
また、最初にこの曲を作った時は、towanaはまだ正式メンバーではなく、トルネード竜巻の名嘉真祈子さんをゲストボーカルに招いて制作されたわけですが、今回の公開に合わせて、towanaによるボーカルも新録しました。
郵便空間に放たれたこの曲が、誤配の果てに希望の歌となることを願って。
佐藤純一 2014年 3月11日
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